福島市の「子ども食堂よしいだキッチン」の取り組み2020
「つながりだけは切らさない」
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった2020年。
福島市吉井田地区にて開催してきた「子ども食堂よしいだキッチン」も
これまでの活動の在り方を再考する必要に迫られました。
緊急事態宣言の発令、そして子ども達は休校措置。
大人も子どもも外出がままならず、多くの不安を抱えながら過ごす日々。
そんな中、民生委員・児童委員さんを始めとした地域のみなさんと
「子どもたちの為に地域として何ができるか」を話し合ったのが2020年3月中旬。
「居場所は中止した方がいいのか?」
「感染のリスクは?」
「子ども達に必要なことは・・・」
たくさんの議論を経て、満場一致で出た答えは
「今こそ、子どもたちの居場所が必要!」でした。
3月は小規模の子ども食堂を開催。
4月以降はドライブスルー型でのお弁当の配付やオンラインでの学習支援を実施。
全国からの応援物資も本当にたくさん届けて頂きました。
休校期間中に久しぶりに会う子どもたち。
屈託のない笑顔。
「宿題が終わらないよ~」という何気ない会話。
そして、お母さんたちとの会話を通して感じる、先行きの見えない不安感。
地域の私たちが今できることは「つながりを切らさない」ことでした。
誰もが不安をぬぐえない中、
何かあったときに声を上げることができる人と人とのつながり、
小さなSOSをしっかり拾うことのできる地域のつながりを切らさないことが、
今こそ本当に大切なことでした。
「子どもたちの短い夏休みに地域みんなでできること」
新型コロナウイルスは、子どもたちが楽しみにしている夏休みにも大きな影響を及ぼしました。
イベントも軒並み中止、感染リスクを考慮すると遠出も難しい・・・
「短い夏休みに、最高の思い出を子どもたちに」
そんな合言葉からスタートした「よしいだキッチン夏祭り&ミニ打ち上げ花火」
2020年8月20日に地域一丸となって開催いたしました。
高校生、大学生だけでなく企業、行政、様々な団体、そして地域の皆さん。
趣旨に賛同・協力してくださった団体はなんと20団体以上。
1時間ごとの入れ替え制の夏祭りでは、
大人は全力でかき氷を作ったり、子どもたちは今年初めての浴衣姿で、
高校生のボランティアのみんなと輪投げをしたり、スーパーボールすくいをしたりと、
笑顔あふれる楽しい夏祭りになりました。
そしてクライマックスは夏休み最後に1分だけの打ち上げ花火。
たった1分。その1分間に多くの人たちの想いを載せた70発の大きな、大きな打ち上げ花火。
下を向くことが多かった2020年、夏休み最後にみんなが上を向いた瞬間でした。
地域のつながりのプラットフォームとしての「子ども食堂よしいだキッチン」。
これからも子ども達を真ん中に地域の皆さんと歩みながら、
新型コロナウイルスもたくさんの困りごとも、
みんな一緒に笑顔で乗り越えていきたいと思います。
子ども食堂よしいだキッチン
江藤大裕